ちょっとマイナーな曲ですが、とても綺麗な曲です。
夢の中に舞う Sarah Jayne 家を出る夜に
彼女以外は知らない 全て Secret
たいくつな毎日が嫌になり
旅立つような始末 あてもなく
トァアララ 満たされない
だから気になる とても気になる Lonely Girl
前向きな女の子版の「15の夜」みたいな曲です。
しかし、ちと違う。キーワードは『
Sarah Jayne』。
サラ・ジェーンとは、「悲しみは空の彼方に」という映画に出てくる登場人物です。簡単にあらすじを書くと、サラは見た目は白人なんですが、白人の父親と黒人の母親との間に生まれたハーフなんですね。それがコンプレックスになっていました。そんなある日、白人の彼氏に母親が黒人であることを理由にふられてしまうと、境遇を、母親を恨みながら家出してしまいます。
この曲は、思春期の女の子の心情とサラ・ジェーンの心情を重ね合わせて客観的に捉えようとした曲なんだろうと思います。もうちょっと先までみましょう。
たしなめてばかりのHigh-School 誰もとがめない
波風立てぬようにと いつも MaMa 言う
よそ行きの服ばかりを着せて
優しいようなそぶり そればかり
トァアララ 大事な日々
だから気になる とても気になる Lonely Girl
鬱憤が募ってますねぇ。多かれ少なかれ誰にでも経験があることと思います。そして旅立ちを決意するのです。
トァアララ 家を出る
誰も知らない 明日朝まで
しかし、最後の最後にキーワードが登場してくるのです。
Sarah Jayne
映画のサラ・ジェーン。家を飛び出したあとにキャバレーにつとめるんです。ヤケ気味で。それを聴いた母親は、決死の覚悟で連れ戻しに行くんですが、サラ・ジェーンは拒否するんですね。
母親はどうしようもない。原因の「自分が黒人であること」には解決法が存在しません。全ての説得をあきらめた母親はショックで病気になり、しまいには亡くなってしまいます。
ここまできて初めてサラ・ジェーンは気付くわけです、母親の愛情を。自分の勝手さを。母の棺に向かって号泣するシーンが非常に印象的な映画でした。
この曲、少女の心境を歌っていて、実は親の心子知らずというか、母親の愛情を歌っている曲なんじゃないかと思います。歌詞を読むと、少女側からの一方的な感想しか描かれていません。
そこに唐突に2回出てくる『Sarah Jayne』という印象的な名前。この曲の深さが感じられます。
まぁ、おいらの勝手な解釈なのかもしれませんけどねw。
とてもいい曲なので、ぜひ聴いてみてください。
サザンオールスターズ 桑田佳祐
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おすすめ度の平均:
洋楽に匹敵する一枚。
残念ながらタイトルと内容に
不一致ありの6作目。
地味な印象ながら名曲揃い
大好きなサラジェーンとあなた様に敬意を表します。